WEB限定特別企画
Special interview
主宰インタビュー①『これまでのガクブチ』
2015/4/18 (Sat.)
新緑がひときわ美しい、春の新宿にて。劇団ガクブチ主宰のふたりにインタビューを行いました。
Q.1
――まず、劇団ガクブチ設立の経緯というのは?
久湊有起(以下、久湊):
もともと立教大学演劇研究会を母体として活動していて、そこで作・演出や役者の経験を積んでいました。サークルなので資金・人員の面でもかなり大規模だったんですが、自分たちの(大学の)スタジオだけでやるんじゃなくて外でもやりたいなと。
で、これはガクブチという名前の由来でもあるんだけども、自分たちの活動を通して演劇というものの面白さみたいなものをいろんな人に知ってもらいたいという思いがあって、そのためにはいろいろと自由度の高い自分たちの団体をつくった方が都合がいいかな、と。
江島良祐(以下、江島):
まさに。(笑)
Q.2
――いままで二回の公演を経てきた感触は?
江島:
(第一回公演『おだいじに。』の時は)先の見通しは全然なくて、旗揚げといいつつも第二回も不透明な状態でした。ミナト(久湊)とは、とりあえず一度、きちんとお芝居を打ちたいねという話をしていたんです。結果としては全ステージでほぼ満席というすごくありがたいものでした。 ただ、そもそものコンセプトとして「あまりお芝居を観ないような人」に観てほしいねというのがあって、またそういう意識で宣伝活動なんかもやっていたんですが、公演のアンケート結果としてはそういったお客さんはごく少数に留まっていました。 そうしたとき、ふだん演劇をあまり観ない人、あるいはガクブチのブランドというか、宣伝を見て惹かれて来てくださる人をもっと増やしたいと思った。それで第二回公演『妄想家の弟子』をやることに決めたんです。 |
実際、第二回公演では初見のお客さんもかなりたくさん来場していただきました。ただいくらか反省点もあったので、第三回ではもっと多くのお客さんに観ていただけたらなと思っています。
久湊:
僕としては、八月に第一回公演をやって旗揚げをして、三月に第二回公演をやって、半年ぐらい空いているわけなんですが、その間の記憶がないくらいあれよあれよという間に終わった感覚です。「二回の公演を経て」と質問されて「あぁ、そんなにやったんだ」という感慨がある。締め切りに追われて、その間に大学の××も決まって(笑)、がむしゃらに、ほとんど勢いだけでやってきたかな……
僕としては、八月に第一回公演をやって旗揚げをして、三月に第二回公演をやって、半年ぐらい空いているわけなんですが、その間の記憶がないくらいあれよあれよという間に終わった感覚です。「二回の公演を経て」と質問されて「あぁ、そんなにやったんだ」という感慨がある。締め切りに追われて、その間に大学の××も決まって(笑)、がむしゃらに、ほとんど勢いだけでやってきたかな……
お客さんが演劇の世界を眺める「窓」でありたい
ただ、ガクブチという名前の通り、お客さんが演劇の世界を眺める窓のような存在でありたいという思いは揺らぎませんし、もっとたくさんのお客さんに観ていただきたいという思いは強くなっています。
Q.3
――ガクブチが演劇の「窓」になりたい、という話がありました。ふたりにとっての演劇をはじめたきっかけ=「窓」とは?
江島:
芝居に多少興味はあったんですけど、役者がどういう仕事をしているのかも知りませんでした。中学・高校に演劇部はありませんでしたし、舞台俳優とテレビで活躍している俳優の違いも分からないような田舎者でした。(笑)
でも大学に入って、いくつかサークルを回ったとき、演劇研究会の雰囲気に惹かれたんです。
当時の先輩たちの演技や基礎練習の姿勢など……大学のサークルというと「お遊び」というイメージもありますけど、演劇研究会は全然違っていた。
こんなに真剣にお芝居に取り組んでるってかっこいいな、と思ったのが演劇をはじめたきっかけですね。
江島:
芝居に多少興味はあったんですけど、役者がどういう仕事をしているのかも知りませんでした。中学・高校に演劇部はありませんでしたし、舞台俳優とテレビで活躍している俳優の違いも分からないような田舎者でした。(笑)
でも大学に入って、いくつかサークルを回ったとき、演劇研究会の雰囲気に惹かれたんです。
当時の先輩たちの演技や基礎練習の姿勢など……大学のサークルというと「お遊び」というイメージもありますけど、演劇研究会は全然違っていた。
こんなに真剣にお芝居に取り組んでるってかっこいいな、と思ったのが演劇をはじめたきっかけですね。
久湊:
僕は、もともと小説を書いていたんですよね。そこでスランプというか……新人賞に投稿したりもしていたんですが、なかなか評価に繋がらないもどかしさがありました。そういうときに、ふと小説以外の媒体についてもっと知りたいと思ったんです。
僕は、もともと小説を書いていたんですよね。そこでスランプというか……新人賞に投稿したりもしていたんですが、なかなか評価に繋がらないもどかしさがありました。そういうときに、ふと小説以外の媒体についてもっと知りたいと思ったんです。
たとえば中学・高校では音楽をやっていたんですけど、音楽というのは間接的な表現だなあと考えていました。演奏した楽曲から受けるイメージにしても、十人十色というか、花という人もいれば炎という人もいる。受け手の想像力の余地が広い、抽象性の高い芸術なんだと実感していました。
その点からすると小説は言語化されているぶん具象性が高いですよね。じゃあ、もっと具象性の強い表現はなんだろうと考えたとき、演劇にたどり着いた。浪人時代から大学演劇は観ていたんですが、そこで演劇の具体性、視覚を通してダイレクトに「伝わる」ことの魅力を感じていましたから。 役者が目の前に立って、伝えようとすることを喋る、叫ぶ、そして行動する――そういう暴力的な表現がなんというか、爽快だったんです。 |
演劇研究会に入ったのは学内で一番規模が大きかったからですね(笑)。
そして更に言うと――表現をめぐるもどかしさが僕に演劇への窓をひらいてくれた、だからこそ、なにかもどかしさを感じながらもまだ演劇に出会っていない、そんな人たちに演劇の魅力を伝えたいと思ってガクブチを始めたんです。
そして更に言うと――表現をめぐるもどかしさが僕に演劇への窓をひらいてくれた、だからこそ、なにかもどかしさを感じながらもまだ演劇に出会っていない、そんな人たちに演劇の魅力を伝えたいと思ってガクブチを始めたんです。
SPECIAL INTERVIEW - VOL.1
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